あいこの ブログ

ほんとうのしあわせを求めてDrあいこの旅は続きます

力尽きるまで

以前、人気アメリカドラマ ERで心臓は動かないけれど、意識がしっかりしている人が出てくる場面がありました。詳細は忘れたのですが、心臓がだめになっていて、人工呼吸と心マッサージで脳血流が維持され、挿管されているのでしゃべれませんが、意思表示ができて、最後は、患者さん自身が心マをやめてくれと意思表示するというものでした。

 こんなことってあるのかしらん。とずっと気になっていました。と、徒然なるママに書いていますが、皆様、もう少しお付き合いくださいね。

 さらに移植法の採決に関連して、各テレビ局が特集をしていて、脳死状態でも、体を動かすことがあるという話を聴いて、まあ、これは脊髄反射等の問題なんだろうから、こらは仕方ないかなぁと感じていたわけですが、

 その辺の話があったので、チョットだけネットで見たのは、ずいぶん昔の文献のようなので、詳細は(すみません。出所を覚えていないのですが、警察関係の論文だったと思います。)わからないのですが、死後硬直が来た患者さんの心臓が動いていたと言う報告だったように記憶しています。

 そしてさらに先日、自宅で心肺停止となった患者さんが搬送されました。型どおりの救命処置を、たまたまいらっしゃった循環器のDrも無理やり捕まえて、行っていたわけですが、心拍が再開されません。基準の30分を超えて、さあどうしようという状態になりますが、確認をすると、瞳孔散大がありません。痛みに反応している様子はありませんが、自発呼吸様の動きがあります。見ているという感じはぜんぜんありませんが、眼球も動きます。意識はありませんが。

 この状態で、心マをやめるわけにはいきません。カテコラミンを続けながら、心マを続けました。

 約2時間、心マを続けて、瞳孔が残念ながら散大し、自発運動がなくなるのを確認し、死亡の確認をしました。

 決して戻ってこないと思われる患者さんでしたが、やはり、動いている限りあきらめられないものですね。うちは、設備もないし、第一時間が足りなすぎるので、脳死の状態なのかなんて判定はできませんが、

 こう考えると、ERでのエピソードもあながちありえないことではないのかもしれないとおもいます。

 さらに、脳死状態で死を宣告するDr達のストレスの大きさを考えると、頭が下がります。

 やはり、とても大きな問題ですね。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶 合掌