今回は、新しい試みとして、株主優待をテーマとした旅情ミステリーを連載しています。
ただ、あくまでもフィクションなので、実際に存在する場所・建物・イベントなどが記載されていますが、実際の出来事ではなく、創作された物であることにご注意ください。また、決して、今回の株主優待を推奨する物ではなく、実際の投資判断等については、ご自身の判断で行なっていただくようお願いします。また、この情報は、2026年5月時点でのお話で、実際、このお話に出てくるユナイテッド・コレクティブ社の優待券も使える条件が、変更になり、千円に対して、五百円券が使用できるようになりました。したがって、今回のような買い方はできなくなっております。実際の優待券の使用については、優待券やホームページなどでご確認いただきますようお願いします。
旅の終わりに 解決編
東武百貨店池袋店に到着したあいこ先生は、徐に、きくえおばさまからいただいた封筒の中身を確認。お釣りはあげますよという話だから、期待してみると、
「2000円?」
この時のあいこ先生を、誰か天文学者が観察していたら、事象の地平線で足掻いているように見えたことだろう。
とらやの店先に行ったが、やはり、夜の梅は1棹も買えない。中型羊羹というのもあるが、やはり、2棹は買えない。確かに、小型羊羹なら、買えそうだが、2000円は中途半端だ。
「何か大きな勘違いをしているに違いない。こんな時は、株主優待を信じなくっちゃ。」
あいこ先生は、これまでの出来事を思い返した。
ユナイテッドコレクティブのあんサンドの説明をした時、きくえおばさまは、
「見た目や中身が似ていても、それを一生懸命考えた人の心がこもっているのですから、単純に同じととらえてはいけないものよ。それは、人も同じこと。」
株式会社TKPの鉄板焼きのシェフは、東京タワーの景観が見られなくなるという話で、
「手前にものがあると、見たいものも見えなくなってしまいます。」
アナと雪の女王では、
「やっぱり、愛だってなんだって、本物が大事なのよね。」
でも、本物と言っても、一つとは限らない。
喫茶二十世紀では、
「情報にも、賞味期限があるから、なるべく早くしないと。」
株式会社エスエルディーでは、
この時のお店でのきくえおばさまとのlineで、
“賞味期限が結構短いから、2つでいいわ”
また、ドクターキリコへの印象で、
「名医という同じ名前でも、違うことで評価されているのね。」
これらの言葉が、あいこ先生の頭の中で渦を巻いて断片化されていく。
「見た目や中身が似ていても」「本物が大事」「賞味期限が短い」「同じ名前でも、違う」
「手前にものがあると、見えなくなる。」
あいこ先生は、無心になって、お菓子売り場の案内図を見ました。
「本物が大事だから、虎屋は間違いない。中身が似ていても、同じ名前でも、違うもの。最初に羊羹の虎屋だと考えると見えなくなるもの」
案内図の中に、ついに見つけました。普通に店名ではなく、コーナー番号の中のお店案内に。
「真実はいつも一個。虎屋さんがもう一つある。」
あいこ先生は、もう一つの虎屋 「虎屋ういろ」に向かいました。
虎屋ういろは、創業大正12年の生ういろの専門店である。
小倉があって、1棹1000円以下 賞味期限は短い。あいこ先生の自宅用にも、栗ういろと抹茶ういろを買いました。
早速、その日の夜のうちに、きくえおばさまのお家へお届け。
「そうそう、これこれ、ありがとう。」
実は、これを買うために、どれほどの推理を要したのかは、読んでいる皆さんとあいこ先生の秘密ですよ。
おしまい。






