あいこの ブログ

ほんとうのしあわせを求めてDrあいこの旅は続きます

書評 寂聴 般若心経 -生きるとは 瀬戸内寂聴著 中央公論社 その1

あなたは今、探求の森に迷いこみました.

今回は、書評 寂聴 般若心経の1回目です.

 中国が隋の文帝の時代.26歳の若者が、国禁を犯して、インドへ向けて旅立ちました.三蔵法師玄奘です。この本の般若心経は、この玄奘訳をもとにしたものです.

 瀬戸内寂聴さんは、説明するまでもなく、有名な作家でいらっしゃいます.ご自身が、いろいろな体験をされた方ですから、そのエピソードを交えながら、般若心経について、面白おかしく説いていらっしゃいます.般若心経のいろいろな解説書がありますが、なかでもこの本は、主に実際の説法を元に書き下ろされたもので、語り口調であるところも、とても心に届く理由でしょう.私もこの本を何度読んだことでしょう.文庫本がもう、ぼろぼろになってしまいました.(お風呂で本を読んではいけません.)

 前回予告のように、羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶の部分について、教えていただきましょう。

 般若心経の本文、二百二十六文字(玄奘訳)の中で、異彩を放つこのフレーズは、秘蔵真言分として尊重されていたとのことです。世間一般には、色即是空の方が有名ですが、それよりも、もっと大事な言葉です.『これを誦(とな)えさえすれば、真言のもつ験力が顕れて、私たちの苦厄を一切払ってくれる(これは本当は、祓ってくれる??)』程の言葉なので、サンスクリット語(らしい)の言葉そのままで、わざと訳さずに、漢字を当てたものとのこと.有難すぎて、訳してはいけないといわれていたようです.

 とても判りにくい感じですが、寂聴さんは、とてもわかりやすい例えで、解説してくれます.これは、キリスト教でのアーメンと同じ.これをナンダカンダと訳すことはできないけれど、この言葉を言えば、神様にすぐに届く.日常の言葉では、例えば、ちちんぷいぷい。それ自体は、意味がわからないけれど、それを言われれば、なんだか痛みも飛んでいきます。

 確かに考えればその通りですね.仏様は、どんな言葉もある程度理解するかもしれませんが、仏様には、仏様の心に響く言葉があるのでしょう.言葉の通じない外国では、教養のすごくある人よりも、『オナカガスイタ』と言う片言の現地の言葉を知っている方が、生きやすいかもしれません.

 今日はこれまで.万事ラッケイです。

ここまで読んでくれてありがとうございます.

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶 合掌