あいこの ブログ

ほんとうのしあわせを求めてDrあいこの旅は続きます

テレ朝のテレメンタリー 「ここで産みたい」という番組を見ました。

お祭り騒ぎで、HAPPY

 テレビ朝日で、産科の特集をしていました。長野県で、産科が継続できなくなってきて、いくつかの病院に集約されるという話でした。と,徒然なるママに書いていますが,皆さんもう少しお付き合いくださいね。

  ビデオにとって、キチンとチェックしているわけではないので、あくまで感想の領域になりますが、もう少し整理した形にはできなかったのでしょうかね。

 私なりに要約すると、長野のある地区の5つ位の病院で、産科が急速に継続不可能になっていて、お産を2つの病院に集約することになった。

 お産をやめたある病院で、一人残った産科の先生が、お産を1回辞めたけど、地域の要望?が強くて(あるいは、こんな風な取材が入ったから?)、経産婦で正常妊娠で、正常な出産が期待できる患者さんに限って、出産を再開しました。

 さらに、地域の守る会のような方たちが、病院にいる助産師さん達に助産所の開設を要望するというところで、終わりました。

 でてくる皆さん(医師も、助産師さんも、守る会の人たちも)は、それなりにキチンと考えがあって苦悩されているようなのはわかったのですが、これは、テレビ局の構成が悪いのだと思いますが、こちら側に伝わらない部分が多くありました。 

そのひとつ。

一人医長でお産をやめた病院が、正常出産でリスクが少なくて、本人家族のリスクへの同意が取れた時だけ、お産を受けますというところで、どうして、その病院でお産をしないといけないかの理由が良くわかりませんでした。

 出てくる内容は、単純に、そこの先生がいい先生だからというような話で、それだけなんでしょうか。

 病院までの距離がすごく遠くなってしまって、リスクが高くなるとかであれば、なんとなく理解しやすいのですが。

同意書を書いて、その病院で出産する妊婦さんにテレビ局の人が「心配は無いですか」と聞くと(聞く方も聞く方ですが)、何かあっても仕方ないというような返事をします。本来、正常妊娠で、そんなリスクまで心配しながら生むのはどんなものかとも思いますが、どうなんでしょう。

ふたつめ。

 「守る会」と言われる人の主張が、なんだか哲学的であること。どうして、個々の病院がお産を続けないといけないのかの理由が見えてこないのです。

 いきなりのインタビューではなくて、きちんとした意見を文章に作ってもらった上で、納得できる説明をさせてあげないと、この方や守る会に結構いろいろな意見がぶつけられてしまいそうです。

みっつめ。

 守る会の人たちが病院の助産師さんたちに助産所の開設を求めるところがありましたが、今の資格の中で、(しかも訴訟の多い中で)助産所を開設しても、そこで産みたいという人がどれだけ出るんでしょうか。

この話が、一番最後にくるのも不思議な話で、テレ朝(もしくはこの製作会社の人)が、産科医減少の切り札として助産所の復活を世に問うという意味なのでしょうか。

 テレビ局も、せっかく取材をするのですから、もう少し、問題点を整理して、医療問題に詳しい人の意見を入れて、番組を作った方がいいと思います。

おまけ

最後に、ひとつだけ、一般の人から見るとすごく誤解されそうな部分がありました。お産を再開した病院の院長先生だと思いますが、当直をしている場面が出てきました。寝転びながら、「中小企業と同じだよ。院長でも当直しなくちゃいけない」とつぶやきます。医者の常識では、院長が当直までしないといけないなんて大変な状況と思いますが、一般の人からすると、当直がそれほど大変という認識は無いでしょうからあまり同情される効果はなさそうでした。(せめて、当直で呼び出しされるようなところを映してあげないと大変そうに見えません)

 ここまで読んでくれてありがとうございます.

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶 合掌