あいこの ブログ

ほんとうのしあわせを求めてDrあいこの旅は続きます

総合診療医docter A

お祭り気分でハッピー

先日、総合診療医としてのあいこさんを試す患者さんが現れました。と、徒然なるママに書いていますが、皆様、もう少しお付き合いくださいね。

 たまに、時間があうと、NHKの総合診療医 ドクターGという番組を見ているのですが、なんとなく、近いところまでいくのですが、結局最終診断をはずしてしまうあいこ先生ですが、実際の診療の場でこんな場面が訪れようとは、思ってもいませんでした。

 通常の外来が終わって、医局の自室で他の仕事をしていると、看護師さんから呼び出しです。

「心か部のあたりを激しく痛がる患者さんがいるのですが、診て下さい。」

なるほど。重症感のある患者さんのようです。これは、心筋梗塞を除外しなくては。

「心電図を頼んでおいてください。すぐ診察に行きます。」

 処置室に行くと、そこには、50歳くらいの女性がどうにもいたたまれないという様子で体をばたばたさせています。確かに、重症感はあるけど、循環系という感じはしないなぁ。

(狭心症とかの痛みだと、あんまり動かない人が多かった印象です)

 心電図を見ると、正常範囲です。

 バイタルサインはすでに測られていて、すべて正常の範囲です。

 なるほど、これは、病歴から推測するしかありませんな。カルテを見ると、10年前に胃潰瘍で入院歴があります。

「今も通院しているんですか?」

「いいえ、今は通院も薬も飲んでいません。」

 もう、勝ったも同然です。結構発症時間がはっきりしている腹痛です。

 診察で、証拠を固めます。心か部に圧痛と筋性防御があります。下腹部の圧痛や背部の叩打痛はありません。

 ふふふ、総合診療医 ドクターAのあいこさんにかかれば、こんなもんです。

 あいこさん、おもむろに患者さんに言います。

胃潰瘍が穿孔している可能性がありますね。これから、レントゲンや血液検査をしてみます。確定すれば、外科のせんせに見てもらいましょう」

 ところがです、ここで、NHKのドクターGのように、突然患者さんが、聞きもしないのにこんなことを言い出したのです。

「わたしは、献血が趣味で、毎月のように献血に行っているのです。」

 そう、あいこさんも実は献血好きなのよ。もう100回を超えたのと言おうかなとも思いましたが、ただ、

「そうですか」

すると、患者さんが、

「最近、γGTPの値が高くなって、前回は、すこしよかったのですが・・・」

なにこれ、これは、引っかけなの?あるいは重要なヒントなの?

「とにかく、一番可能性が高いのは、胃潰瘍なので、検査してみましょう。」

 血液検査と腹部レントゲン開始。フリーエアーはありません。二ボーもないし、やや、小腸ガスが目立つくらいです。炎症所見もなく、WBCが少し上がっているだけです。ALT AST AMYはまだ出てきませんが、腎機能も問題なしなので、とりあえず造影CTへ。

 献血のくだりはすっかり忘れて、胃潰瘍の切迫穿孔なのかしらんなんて思っておりましたが、

 さあ、本物のドクターGの皆さんは、もう診断がつきましたね。それでは、声をそろえて、言ってみましょう。

せーの、診断は、

 

 

「急性膵炎でした」

ALT AST AMYだけ結果が遅れたのは、異常値で再検がかかっていたせいでした。γGTPの上昇で、アルコール摂取が増えている可能性に気づかなければいけません。やはり、Gにはまだ遠い、初心者ドクターAのようです。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶 合掌