あいこの ブログ

ほんとうのしあわせを求めてDrあいこの旅は続きます

往診で診る人生 その3

お祭り騒ぎで、HAPPY

 当時は、こんなに大変なこと、決して忘れはしないわと思っていたことを、思い出しました.(つまり忘れてたってことですね)でも、この忘れてることが大事なんですよね.苦しみも憎しみも、思い出そうとすれば思い出せるけど、普段は気にしないでいられるから、日常生活がおくれるってもんでさぁ。と,徒然なるママに書いていますが,皆さんもう少しお付き合いくださいね。

 私のしがない、医者人生の中でも、思い出すといろんなことがあるのもですね.今回立て続けに、思い出して、妙に感心しています.

大体は、医者になって数年の間に起こったことです.きっと、今は、知らず知らずのうちに、そういった面倒な関係を避けようとしているんですね.と,徒然なるママに書いていますが,皆さんもう少しお付き合いくださいね。

 あまりにも、しみじみしちゃったので、2回も書きました。今日の方は年齢が近くって、思い入れが強いので.(文字色も、変えてみました.)

 この方は、若い女性でした.確か、結核の後遺症だったと思いますけど、やはり一人暮らしで、いろいろあって、下町の方に越してこられた方のようです.(いろいろ、経済的にも男性関係でも苦労された方のようですが、詳細は不明です)

 肺炎で入院されましたが、あまりにも呼吸状態が悪い.でも、本人はけろっとしています.呼吸不全になれているんですね.さすがに、酸素療法が必要になって、ナルコーシスになって、人工呼吸というお決まりのパターンです.肺炎はよくなりましたが、人工呼吸器が完全には離脱できません.日中数時間程度ならはずしてられますが、ずっとだとレベルが落ちます.高度の拘束性呼吸障害で、人工呼吸器に、普通にのってくれます.volume controlで、ぜんぜんぶつからないのです。

 ずっと入院しているわけにはいかないし、本人もしっかりしているので、在宅人工呼吸になりました.歩行も可能なので、近いところなら買い物にもいけます.自分で、鏡を見ながら吸痰されます。(一人暮らしですから、誰もやってくれません)

 この方が、在宅になられて、往診に行ってました.

 アパートの1DKです.生活保護なので、荷物も少ないのですが、さすがに女性です.一輪挿しにお花がさしてあることが多かったのです.そして、いつも、薄く化粧をしていて、私たちが行くと、にっこり笑ってくれました.

 なんとなく、一輪挿しのお花のまわりがホンワカ明るく見えて、そして少し寂しかった記憶があります.

 数ヶ月で、確か肺炎を起こして亡くなられたと思います.

 あの方の声を聞いたことがあったっけな。きっと、さびしげだけどかわいらしい声だったのでしょうね.

 ここまで読んでくれてありがとうございます.

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶 合掌