2006-07-13 往診で見る人生 その2 診療 その他(一般) お祭り騒ぎで、HAPPY懐かしい、往診のエピソードを書いています。あの頃は、私も若かったわねぇ.なんて、いうにはまだ、医師としての経験も能力も足りない.と,徒然なるママに書いていますが,皆さんもう少しお付き合いくださいね。 「今日の往診はどんなトコですか」、と看護師さんに聞くと、ちょっと言いよどんで、「病気というかなんというかなんですけど」と、意味不明な答え。 「別に逃げたりしないから、教えて」と言うと、「ホントですね.」と念押しされてから、教えてくれました. 社会に適応できない方の一人暮らしで、家の中にいわば軟禁状態にあるようです.かぎを普通にかけておくと、外へ出れないのかでないのか判りませんが、家の中で一人で生活しています。 食事は、家族が週に1回ほど、冷蔵庫に食べ物を入れたのを食べているようです.誰も、この方の生活ぶりについては知らない様子です. 恐る恐る家のドアをあけると、少し離れたところにいらっしゃって、こちらを意識はしているけれど無視したまま、体操のようなことをしていらっしゃいました.障子とかは破れてましたけど、それほど散らかっているという感じはしません. 一応、元気そうでしたので、「特にお困りのことはないですか?」と声をかけて、返事のないことを確認して、かえって来ました. このように、社会には迷惑がかからなくて、健康で、一応一人で暮らせる人には、福祉は対象にしてくれないのですね.(この家を訪問するのは、福祉の仕事だと思いませんか?) 私も、どちらかというと貧乏な家に生まれましたが、信頼できる家族がいることの幸せを感じました. ここまで読んでくれてありがとうございます.羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶 合掌